次世代シーケンシングによる網羅的な遺伝子解析

次世代シーケンシングによる網羅的な遺伝子解析

お客さまに代わり、当社の専門家が分析を行い、その結果をお返してご報告します。
ゲノム変異解析やトランスクリプトーム解析など、あらゆる用途に応じて Ion Torrent™  次世代シーケンサによるデータ取得をお試しいただけます。
「サンプルが多いのでまずは少数サンプルで結果を確認してみたい」「機器の修理中にシーケンスからデータ解析まで代行してほしい」といったお悩みやご要望にお応えします。


サービスの流れ

ngs-step

サービス内容

対応アプリケーション

  • ゲノム変異解析
    エクソームシーケンス、ターゲットリシーケンス(Ion AmpliSeq™パネル、Oncomine™ Assay) など
  • トランスクリプトーム解析(RNA-Seq)
    全トランスクリプトーム、mRNA、miRNA など
  • 微生物解析
    腸内や環境の細菌叢(マイクロバイオーム)解析、ウイルスゲノム解析 など

事例

がん関連

網羅的ながん関連遺伝子解析

申し込みの背景
全エクソン解析ではデータ過剰、核酸量を確保するのが大変

解決したい課題
全エクソン解析の代わりにがん関連遺伝子を網羅的に解析できるパネルを試してみたい

概要

  • Oncomine™ Comprehensive Assay Plusにてがん病変組織を解析
  • 遺伝子変異、TMB(遺伝子変異量)やMSI(マイクロサテライト不安定性)についても結果をご返却

がん研究がご専門のお客さまよりご相談があり、Oncomine Comprehensive Assay Plusをご紹介しました。
Oncomine Comprehensive Assay Plusは500以上のがん関連遺伝子について遺伝子変異、TMB、MSS、LOHを解析できます。核酸はFFPEからでも解析可能、必要量はわずか20 ngです。
遺伝子の変異タイプから標的治療薬の選択、TMBの結果から免疫チェックポイント阻害薬が期待できるかどうか等、治療に役立つ情報を多数得ることができます。

がん細胞の変異シグネチャー解析

申し込みの背景
結果を簡単にレポートにまとめたい

解決したい課題
がん細胞の変異シグネチャーを解析し、変異のパターンを同定したい

概要

  • TMBやMSIなどを含む約500遺伝子の変異解析パネルであるOncomine Comprehensive Assay Plus(OCA Plus)を選択
  • 喫煙者と非喫煙者の肺がんの変異パターンを比較したい

ご依頼者さまは肺がん患者の予後の予測や治療法の選択に変異のパターンが役立つかを理解したいとのことでした。
喫煙による肺がんでは、タバコ煙に含まれる特定のカルシウム結合タンパク質がDNAに結合し、特定の変異パターンを引き起こすことが知られています。
実際に喫煙者と非喫煙者のサンプルを解析し、変異のパターンを比較すると、特定の配列で変異が多くみられることが明らかになりました。
がんの進行メカニズムの理解に役立つとのことで、変異シグネチャーのプロファイリングを予後の予測や治療法の選択に役立てたいとのことです。
大規模なゲノムデータの解析を行うにあたり、想定していた結果が得られ、今後の新たな治療選択の開発につながる可能性に期待をお持ちいただきました。

がん患者由来の微小かつ分解の進んだ検体を用いた発現解析

申し込みの背景
検体の品質が悪く少量のため受託会社から受け入れを断られていた

解決したい課題
がん患者由来の微小かつ分解の進んだ検体の発現解析を行いたい

概要

  • がん免疫に特化した約400遺伝子の発現解析パネルであるOncomine™ Immune Response Research Assay(OIRRA)をご選択
  • 抗がん剤投与前後の遺伝子発現状況を比較解析
  • RIN値が4を下回り、RNA量が10 ngの検体を用いて解析を行った

ご依頼者さまは分解が進み、かつ、量も非常に少ない検体の発現解析を希望されていました。
受託メーカーに解析を打診されたこともありましたが、引受先が見つからずに研究が滞っている状態でした。
AmpliSeqテクノロジーを用いたOIRRAであれば分解している検体でも発現解析ができるかもしれないとご興味をお持ちいただきお試し解析を実施しました。
結果、治療前後で遺伝子発現が有意に増減する遺伝子を特定することができました。
OIRRAでは Applied Biosystems™ Transcriptome Analysis Consoleとよばれる当社より無償提供しているソフトウエアを用いることができさらに、volcano plotなどの作図やPathway解析までプログラミングの知識がなくても実施できることに対してもご好評をいただきました。
このようにNGSを内製化することで、よりチャレンジングな検体の解析を行うことができることに魅力を感じていただき購入をご決断いただきました。

T細胞受容体のレパートリー解析

申し込みの背景
レアなクローンを検出したい

解決したい課題
微小残存病変(MRD)の検出

概要

  • Oncomine™ TCR Beta‑SR Assay を実施
  • Ion Reporterソフトウエア解析結果をご返却

病院の研究所で白血病の研究をされている先生からご相談があり、MRDの解析は治療法を決定するために非常に有用で、これまでフローサイトメトリーにて解析をされてきましたが、NGSではより感度良く検出できるのではとご期待いただきました。
本製品はDualバーコードを採用しているため、非常に感度が高く、レアなクローンも検出することができます。

微生物関連

菌叢解析

申し込みの背景
工場の品質管理にApplied Biosystems™ MicroSEQ™ ID システムを使用しているが分離(単離)できない菌がいる

解決したい課題
単離培養せずに菌叢解析を気軽に行いたい

概要

  • Fusion PrimerにてV1-V3領域を解析
  • 菌叢分類データをご返却
  • 検出された上位10菌種についてqPCR解析用にプライマーを設計しました

ご依頼者さまは食品加工工場の品質管理部に所属されており、通常の検査に加えて、定期的に工場内のさまざまな箇所について検査をしたいが、検査数が増えることに加え、菌の単離に手間と時間がかかることに悩まれていました。
まずは数回にわたり当社のNGS機器を使用して16S rRNA解析を実施、検出された上位10菌種についてqPCR解析用のプライマーを設計し、より気軽に検査をしていただけるようになりました。
また、細菌叢に大きな変化がないかどうか、定期的に当社のお試し解析をご依頼いただいております。

Microbiome解析

申し込みの背景
手軽に菌叢解析を行いたい

解決したい課題
サプリメント摂取前後で腸内細菌叢の変化を追跡したい

概要

  • Ion AmpliSeq™ Microbiome Health Research Assayを採用
  •  Ion GeneStudio S5でデータを取得、16S rRNAおよびTarget菌種の検出結果をご返却

腸内環境を改善するサプリメントを開発中のメーカーさまからご依頼があり、同一のgDNAサンプルから16S rRNA解析、ヒト腸内細菌叢をターゲットとした73種の菌種を検出できることが特長の本パネルを試され、非常に簡単に解析ができることを体感いただきました。

院内感染防止

申し込みの背景
薬剤耐性遺伝子に対する策を講じたい

解決したい課題
院内感染で検出されたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)がどのような耐性遺伝子を獲得していたか同定したい

概要
Ion AmpliSeq™ Pan-Bacterial Research Panel
パネルにより検出された株を同定するとともに、どのような薬剤耐性遺伝子がどれくらい存在していたかを解析

病院検査部の方から、院内感染は深刻な事態を引き起こすため、再発防止のためにあらゆる準備をしておきたいとご相談がありました。
本パネルは属および種レベル、さらに異なる 抗生物質クラスで細菌を検出するためのパネルであり、21種類の特定種検出用の 269アンプリコンと364個の抗生物質耐性(AMR)遺伝子の存在を評価するための 716アンプリコン用のプール、さらに公共 のGreengenesデーターベースに登録されている最大約400,000の16S配列から16Sプロファイリングを行うための24アンプリコン用のプールに分かれています。
従来の培養検査や生化学検査、簡易PCR検査などとは異なり、確度の高い詳細な結果を得ることができます。
株、薬剤耐性遺伝子まで同定でき、また検査は簡便なため、少ない人数でも継続して検査を続けていくことができます。

発現解析

環境中のRNA定量解析

申し込みの背景
細菌由来のRNAコンタミネーションが多く通常のRNA-Seqでは解析できない

解決したい課題
河川から採取した魚由来RNAの定量解析を行いたい

概要

  • ターゲットとなる魚種の転写産物1,000種類のプライマーセット(パネル)を作成
  • マルチプレックスPCRにより1,000種の転写産物特異的なライブラリーを作製し、Ion GeneStudio S5シーケンサを用いて分析

ご依頼者さまは河川の汚染状況を魚の遺伝子発現変化によりモニターすることを目的とされていました。
これまでRNA-Seqによる発現解析を他社受託メーカーに依頼されていましたが、細菌由来のRNAコンタミネーションが多く、十分なデータ量を取得することができませんでした。
Ion AmpliSeqパネルは特異的なプライマーを用いてターゲットとなる遺伝子配列のみを増幅することができるため、複雑な実験工程などなく、サーマルサイクラーを用いた実験とビーズ精製のみで簡便にライブラリー作製を行うことができました。
シーケンス解析後のアウトプットとしてもカウントデータの出力まで自動実行することができるため、すぐに統計解析に持ち込むことができ、結果の評価までを1週間以内に行うことができました。

miRNA解析

申し込みの背景
解析方法がわからない

解決したい課題
microRNAを利用して、がんの早期発見や予後予測の研究を行いたい

概要

miRNAライブラリーを作製、Ion GeneStudio S5シーケンス、解析結果をご返却複数回ご依頼いただき、安定して良好なデータが出ることを確認いただきました。
製薬メーカーさまからご依頼があり、お手元で解析ができる環境をご希望、機器の購入を検討されていました。
miRNAライブラリーはサイズが小さいために作製がやや難しいとされていますが、当社のアプリケーションではゲル切り出し等のサイズセレクトが不要な上、アダプターダイマーもほとんど生じず、効率よくデータを取ることができます。
また分子バーコードを搭載していることも解析面で重要視され、当社のアプリケーションを導入いただきました。

がん患者由来の微小かつ分解の進んだ検体を用いた発現解析

申し込みの背景
検体の品質が悪く少量のため受託会社から受け入れを断られていた

解決したい課題
がん患者由来の微小かつ分解の進んだ検体の発現解析を行いたい

概要

  • がん免疫に特化した約400遺伝子の発現解析パネルであるOncomine™ Immune Response Research Assay(OIRRA)をご選択
  • 抗がん剤投与前後の遺伝子発現状況を比較解析
  • RIN値が4を下回り、RNA量が10 ngの検体を用いて解析を行った

ご依頼者さまは分解が進み、かつ、量も非常に少ない検体の発現解析を希望されていました。
受託メーカーに解析を打診されたこともありましたが、引受先が見つからずに研究が滞っている状態でした。
AmpliSeqテクノロジーを用いたOIRRAであれば分解している検体でも発現解析ができるかもしれないとご興味をお持ちいただきお試し解析を実施しました。
結果、治療前後で遺伝子発現が有意に増減する遺伝子を特定することができました。
OIRRAでは Applied Biosystems™ Transcriptome Analysis Consoleとよばれる当社より無償提供しているソフトウエアを用いることができさらに、volcano plotなどの作図やPathway解析までプログラミングの知識がなくても実施できることに対してもご好評をいただきました。
このようにNGSを内製化することで、よりチャレンジングな検体の解析を行うことができることに魅力を感じていただき購入をご決断いただきました。

変異解析

Targetシーケンス-カスタムパネル

申し込みの背景
マイクロアレイでの網羅的解析が終了した後の効率的な研究の進め方がわからない

解決したい課題
お客さまが取得されたマイクロアレイのデータを用いて、特定SNPだけのパネルを作成したい

概要

Ion AmpliSeq™ Designerにてパネルを設計後、シーケンサ導入までの期間、当社ラボにてデータ取得を行いました。
マイクロアレイにて網羅的な解析をされていましたが、興味のあるSNPだけを追跡できるパネル解析をしたい、マイクロアレイの結果からパネル作成ができるかどうか、ご相談をいただきました。
遺伝子の座標情報をもとにAmpliSeq Designerでパネルを設計しました。

Exome解析

申し込みの背景
他のアプリケーションでIon GeneStudio™ S5 シーケンサを保有・使用中

解決したい課題
ライブラリー作製が難しそうで自信がない

概要

  • gDNAをお預かりしてトリオ解析を実施
  • Microsoft™ Excelで開くことができる結果ファイルおよびIon Reporter™ソフトウエア解析結果をご返却

ご依頼者さまは医師、遺伝性疾患を対象にご研究をされていました。これまでエクソーム解析は他社受託メーカーに依頼されていましたが、

別のアプリケーションで使用されていたお手持ちのIon GeneStudio S5シーケンサを使用してこれまでよりも早く結果を得ることができれば、患者さまのバリアントの検出や同定を迅速に行うことができるのはとご相談をいただきました。
Ion AmpliSeq™ 製品ですので、ご準備いただく核酸は少量で良いこと、サンプルが溜まるまで待つ必要がなく、1家系(トリオ、3人)のみで解析を行うことができること、PCRをかけるだけ、ハイブリダイゼーション等の難しい操作がないことにもご安心いただくことができました。
TATがわずか3日以内ということが導入の決め手になりました。

育種開発

ジェノタイピングを利用した作物の育種開発

申し込みの背景
既知のSNPを迅速かつ数百検体規模で解析を行いたい

解決したい課題
育種開発用トマトを用いたジェノタイピング

概要

  • Applied Biosystems™ AgriSeq™ 5K Tomato Panelを用いて5,000か所のSNPの網羅的な解析
  • 取得できたSNP情報を多数の形質情報と照らし合わせたゲノミック選抜に活用

ご依頼者さまは既知のSNP情報をもとにゲノミック選抜を実施することを検討されていました。
これまではランダムにSNP情報を取得する手法を採用していましたが、決まったSNPを再現性ある手法で検出したいとのことで同時に最大5,000SNPまでを解析できる当社のAgriSeq 5K Tomato Panelにご興味をお持ちいただきました。
AgriSeq 5K Tomato Panelでは解析結果の一覧をS5内で自動出力することができ、ゲノミック選抜の解析に必要な情報をデータの加工の必要がなく取得いただくことができました。
得られたデータの質に加えてNGSを内製化することで、結果を得るまでの時間を大幅に短縮できることに魅力を感じていただきました。