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セメント製造の効率化、製品の品質と収益性の向上のための先進技術

セメント製造の方法とプロセスは、市場の要求、競争圧力、新たな経済的な現実、政府の規制に対応するために、さらに迅速に進化させる必要があります。サーモフィッシャーサイエンティフィックは、セメント製造プロセスを改善する技術を開発・応用し、お客様の収益性を向上させるという点において、もっとも信頼できる業界パートナーであり続けます。先進的な技術と、それらをどのようにお客様の業務に応用できるかをご紹介します。


即発ガンマ中性子放射化分析/パルス高速熱中性子放射化(PGNAA/PFTNA)

PGNAA/PFTNAは、プロセス最適化におけるリアルタイムの品質管理に使用され、原材料のプロセスストリーム全体の高頻度オンライン元素分析を提供します。PGNAA/PFTNAを使用した分析計は、コンベヤーベルト上に直接配置され、原材料の断面全体に放射線が浸透するため、試料や表面測定だけでなく原材料の全体の流れを分刻みで均一に測定できます。セメント製造業者は、原材料の品質管理と工場での石炭火力発電の管理という2つの重要な点でこの技術を活用できます。

 

セメントの主要な元素成分は、カルシウム、アルミニウム、鉄、シリコンです。しかし、石灰石、粘土、砂岩の中には、酸化マグネシウムなどの不要な元素や、ナトリウム、カリウム、硫黄などのアルカリが存在し、プロセスに悪影響をおよぼすことがあります。このような場合、エンドユーザーは、PGNAA技術を使用して石灰岩中のMgOレベルを監視し、適宜調整することができます。

 

この技術は、発電所の動力源である石炭混合の制御にも役立ちます。これにより、セメント製造業者は低コストの石炭と高コストの石炭を「混合」して、燃料費をさらに節約し、キルン内への供給量を安定させることができます。

CB Omni Agile元素分析計

Thermo Scientific CB Omni Agileは、PGNAA/PFTNA技術を使用して、原材料のプロセスストリーム全体のリアルタイムオンライン元素分析を行い、連続サンプリングを必要とせず、ブレンド、ソート、製品品質のモニタリングを実現します。

 

ECA-3クロスベルト元素分析計

Thermo Scientific ECA-3クロスベルト元素分析計はベルト取り付けの全ストリーム分析で初めて即発γ線中性子放射化分析(PGNAA)を採用しました。これは、サーモフィッシャーサイエンティフィックが1984年に開発および商用化した技術で、サンプルストリームのオンライン石炭元素分析に広く使用されています。

 

CQM Flex

Thermo Scientific CQM Flexは、電気駆動の中性子発生装置、または中性子源としてカリホルニウム(252Cf)を組み込むことができ、さまざまなアプリケーションの要求に対応します。CQM FLEXは、石炭資源を最大限に活用し、汚染物質を削減するために、石炭の消費者と生産者の両方が必要とする硫黄、水分、総灰、発熱量、灰の元素濃度、およびその他の重要なパラメーターを測定し、報告します。

CB Omni-R

Thermo Scientific CB Omni-Rパッケージは、旧式の、または古くなった可能性のあるアナログ電子機器を、最新で信頼性の高いデジタル電子機器に置き換えるものです。アップグレードに含まれる新しいCB Omniランダムパルスプロセッサー4(RPP4)は、PGNAAオンライン分析計に対して科学者とエンジニアが特別に設計した、市場でもっとも先進的なデジタルシグナルプロセッサーです。

 



蛍光X線

蛍光X線(XRF)分光計は、材料の元素組成を測定するのに使用される非破壊分析技術です。XRF分析計は、一次X線源によって励起された場合に試料から放出される蛍光(または2次)X線を測定することで機能します。試料に含まれる各元素は、一連の特徴的な蛍光X線、または固有の「指紋」を生成します。定量・定性分析の優れたツールであるXRF分析計は、この「指紋」が元素によって異なることを利用しています。セメント製造では、XRFは原材料、クリンカー、および最終製品の分析に使用されます。

Niton XL2 Plus携帯型XRF分析計

Thermo Scientific Niton XL2 Plus携帯型XRF分析計を使用することにより、工場や現場のどこにいても元素分析を確実に実行できます。耐久性、性能、生産性を重視する産業界では、迅速な結果と低い検出限界を実現するNiton XL2 Plus携帯型XRF分析計が頼りにされています。材料組成や汚染物質を同定し、地球化学データを取得できます。Niton XL2 Plusは、1台でさまざまな材料をスキャンすることができます。

ARL OPTIM'Xセメント分析装置

Thermo Scientific ARL OPTIM'Xセメント分析装置は、波長分散型X線元素分析のあらゆる利点を、より高性能なシステムの数分の1のコストで提供します。革新的な光学系、小さな設置面積、簡単な操作とメンテナンスにより、精度や感度を犠牲にすることなく、所有コストを大幅に削減できます。

ARL 9900トータルセメントアナライザー

Thermo Scientific ARL 9900トータルセメントアナライザーは、セメント製造の重要な工程において、迅速なプロセスモニタリングを提供します。物質の元素組成を決定するXRF分析と、さまざまな元素がどのように結合しているかについて鉱物学的特性情報を提供するXRD分析を組み合わせて、最終製品の完全性を保証します。2種類の分析方法を実施するためには、これまではメンテナンスと運転に多大なコストがかかる2台のX線装置が必要でした。しかし、革新的な小型X線回折システムの統合により、両方の技術を1台のARL 9900に搭載することができ、ユーザーにとって次のような大きな利点があります。

 

ARL QUANT’X EDXRF分光分析装置

Thermo Scientific ARL QUANT'X EDXRF分光分析装置は、元素分析の性能、汎用性、信頼性を備えています。コンパクトなデスクトップ設計、密結合光学系、および高度な電気冷却式検出器により、ppmからパーセントまでの元素濃度という幅広いダイナミックレンジで高精度の分析が可能です。

ARL PERFORM'Xシーケンシャル蛍光X線分光分析装置

Thermo Scientific ARL PERFORM'Xシーケンシャル蛍光X線分光分析装置を使用することにより、ほぼすべての固体または液体試料中で最大90の元素を評価できます。冶金、石油、ポリマー、鉱業、ガラス、セメントおよび難溶性物質などの多岐にわたる業界、ならびに地球科学、材質科学、環境研究および法医学に携わるラボでは、本製品の性能および多用性から多くの利益が得られます。さらに、この革新的な分光分析装置は、バルク元素分析とマッピングおよび小スポット分析を統合し、高度な材料特性評価を実現します。


X線回折

汎用性が高く、非破壊分析技術であるX線回折(XRD)の使用で、結晶材料の詳細な相および構造情報を迅速に取得できます。X線回折(ブラッグの法則)の発見により、物理学者、化学者、材料科学者、および冶金学者は、構造と特性の関係を研究できるようになり、材料科学や技術の分野で数多くの新たな発見につながりました。

蛍光X線(XRF)分析は、試料の元素組成を特定しますが、さまざまな元素がどのように組み合わされているかに関する情報は得られません。このような鉱物学的な情報は、X線回折によってのみ得ることができます。一般的な結晶試料の場合、XRFはたとえば全Ca濃度を測定します。XRDでは、岩石、鉱物、酸化物の材料や製品などの結晶体の相や化合物を分析することができます。同じ試料をXRDで分析することにより、さらに一歩進んで、CaO、CaCO3、Ca(OH)2の含有量やその他のCa相についての情報が得られます。

ARL EQUINOX 100 X線回折装置

Thermo Scientific ARL EQUINOX 100 X線回折装置は、QA/QCアプリケーション専用のXRD装置です。従来の回折計に比べて3分の1のスペースで設置でき、独立型の持ち運び可能なベンチトップ型装置であり、柔軟性に富んでいます。外付けの水冷装置は不要で、標準的な電源コンセントに接続して使用します。本装置は、速度や性能を損なうことなく作業を簡素化します。特定のリアルタイム検出モードにより、数秒で測定が完了します。


放射線検出

鉱山業や採掘された鉱物を利用する人々は、自然に発生するさまざまな放射線にさらされています。また、セメント製造では、放射性物質の測定・分析技術(X線・ガンマ線分析計など)が多用されているため、被曝の可能性が飛躍的に高まります。自然放射線源と人工放射線源の双方とも危険であり、適切に管理しなければ生命を脅かす可能性があります。

製造工程全体でのさまざまな種類の放射線検出は、作業者の安全性と品質管理のためにもっとも重要です。放射線検出技術は、監視する放射線の種類や環境、放射線源に応じて、複数の機器を用いて提供することができます。

携帯型放射線検出装置は、ガンマ線を正確な線量率でリアルタイムに検出し、放射性物質の発見を確認し、放射能が自然由来のものか人工(人造)由来のものかを評価します。高感度中性子応答とアラームしきい値を備えた携帯型機器を使用すると、ガンマ感度とエネルギー補償型線量率測定をモニターすることができます。

RadEyeエリアモニター

Thermo Scientific RadEyeエリアモニターにより用途範囲が広がり、便利で費用対効果の高いγ線および中性子線エリアモニタリングも可能になります。このエンクロージャは、エリアモニタリングアプリケーション用にさまざまなタイプのRadEye機器に適合します。

 

RadEye B20およびB20-ER多目的サーベイメーター

Thermo Scientific RadEye B20およびB20-ER多目的サーベイメーターを使用することにより、施設および現場環境での放射性物質が混在した表面汚染を迅速に特定できます。α線、β線、γ線、およびX線解析用の、シンプルで堅牢、かつ信頼性の高い汚染および線量率の測定ツール。RadEye B20およびB20-ER多目的携帯型ガイガーカウンターは、産業労働者のための現場でのソリューションを提供します。

RadEye SPRDおよびSPRD-ER個人放射線検出器

規制を超えた放射線の検出および阻止に関する新しい基準により、実際の放射線の脅威に迅速かつ決定的に対応できます。Thermo Scientific RadEye SPRDおよびSPRD-ER個人放射線検出器は、携帯型放射線モニターであり、検出器の感度とインテリジェントなアラーム機能との独自の組み合わせにより、もっとも困難なアプリケーションでの検出を確実にし、不要なアラームを排除することができます。さらに、RadEye SPRDおよびSPRD-ER放射線検出器は、特定の種類の放射線または放射性物質を特定・分類し、お客様のミッションやユーザーのスキルをサポートするように構成することができます。


インフォマティックス

セメント製造者が利用できる高度な材料分析機器は、生産性、効率性、収益性をかつてないほど向上させます。これらの改善は、専用のソフトウェアやインフォマティクスによってさらに拡大することができます。弊社のシステムは、ラボ機器と現場での機器間の接続性を提供し、豊富な情報分析と最適な管理制御を実現し、機器の有用性を向上させます。たとえば、XRFとPGNAA元素分析計を接続することで、両方のシステムからのデータを比較して、最高の運用効率を実現できます。その他の専用のソフトウェアを使用することで、原材料の供給速度をリアルタイムで自動調整し、生産性と品質管理を最大限に高めることができます。セメント業界向けに特化した当社の高度なインフォマティクスシステムにより、お客様の技術投資に対するリターンをさらに拡大することができます。

AccuLINK

Thermo Scientific AccuLINKは、校正をオンライン分析システムに自動実装する使いやすいソフトウェアパッケージです。このパッケージはオンラインクロスベルト分析計とサイトラボラトリーの結果を比較し、統計的および視覚的データ分析を提供します。オンライン分析計を最高の精度で使用することで、窯フィードの一貫性が向上し、スループットの向上、クリンカー1トンあたりの石炭燃焼BTUの低減、1トンあたりのクリンカーにかかる電気料金の削減、およびブリックの長寿命を実現します。

RAMOS(原材料混合最適化ソフトウェア)

オンライン分析計による高頻度分析を利用するための特別に設計されたソフトウェアでは、複数の原材料ソースの供給を自動的に調整し、混合比率を最適化し、化学的変動を低減、かつコストを最小限に抑えます。Thermo Scientific RAMOS(原材料混合最適化ソフトウェア)は、クロスベルトオンライン分析計とともに使用でき、コンベヤーで輸送される原材料の化学的性質をモニタリングします。また、最適な配合率を自動的に指示し、原材料の品質管理目標を達成します。

COBOS(石炭混合最適化システム)

より費用対効果が高く効率的な運転を実現するとともに、お客様が求める高品質な石炭混合の仕様を満たします。Thermo Scientific COBOS石炭混合最適化システムは、石炭品質を継続的に監視するソフトウェアを用いて、石炭選別装置と石炭混合装置を制御します。このシステムでは、最大6つの石炭ソースを混合して、灰分、硫黄、水分、または灰酸化物や灰酸化物比率など、最大5つの品質パラメーターからなる「レシピ」を作成します。混合レシピは、高コストまたは希少な石炭資源の使用量を減らすとともに、さまざまな品質目標と優先順位に合わせて事前に定義することができます。


ラボラトリーの自動化

セメント製造業者は、ラボラトリー自動化技術を使用して、アプリケーションのプロセス制御と効率をさらに高めることができます。XRF分光分析装置は完全に自動化されており、スループットの向上、分析精度の向上、コストの削減が可能です。このレベルの自動化により、完全なラボラトリーのワークフローソリューションが実現でき、応答時間の短縮、試料処理の頻度の増加、非常に重要な生産管理環境における自動試料調製の可用性の向上が可能になります。

XRF用ARL SMS-XY自動搬送装置

より多くの試料を短時間で処理する能力が向上します。XRF用Thermo Scientific ARL SMS-XY自動搬送装置により、Thermo Scientific ARL 9900シリーズX線分光分析装置またはThermo Scientific ARL PERFORM'X WDXRF分光分析装置の連続無人運転が可能になります。自動化を進めることで、分析品質の向上、分析コストの削減、予測可能で再現性のある応答時間による持続的な分析、短い投資回収期間を実現します。

 


排出量分析

弊社は約40年という長い時間をかけ、要求の高い運用および環境モニタリングシステムの設計と実稼働を完成させました。弊社の最先端技術は、長年にわたる卓越した事業パフォーマンスとともに、各システムに高い品質で組み込まれています。

弊社のガスおよび微粒子排出分析計を使用することで、NO、NO2、NOx、SO2、CO、CO2、オゾン、非メタン炭化水素(これらに限定されません)、およびその他ユーザーが必要とするガスなど、生産のさまざまな段階におけるプロセスガスの完全なスペクトルを検出し、監視できます。 弊社の分析計は、非分散型赤外線(NDIR)、化学発光、パルス蛍光検出、炎イオン化検出(FID)、原子蛍光検出、透過率計、超音波モニター、完全抽出プローブ、および希釈抽出プローブなど、さまざまな技術を利用しています。これらの技術を組み合わせることで、規制当局のガイドラインに準拠しつつ、お客様独自の大気質モニタリングのニーズに応えることができます。本システムは、US EPA 40CFR Part 60および75基準を満たすように設計されていると同時に、卓越した感度、精度、信頼性を実現します。

iQシリーズ機器プラットフォーム

Thermo Scientific iQシリーズ機器プラットフォームは、環境ガスおよびソースガス分析用のスマートな環境モニタリングソリューションであり、装置の性能とデータの可用性をより優れた方法で制御します。iQシリーズガス分析計は、使い込むにつれてよりスマートに機能するよう設計されています。高精度でタフなソリューションによりトラブルシューティングにかかる時間を最短に抑えます。

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