2024年12月4日
サーモフィッシャーサイエンティフィック
バイオサイエンスビジネス
サーモフィッシャーサイエンティフィックのバイオサイエンスビジネス(以下、サーモフィッシャー)は、遺伝子・細胞製剤の受託製造を行う株式会社サイト-ファクト(本社:兵庫県神戸市、代表取締役:川真田伸、以下、サイト-ファクト)が進めるウイルスベクター製造のプロセス開発で協業するための覚書の締結に合意し、2024年11月20日に神戸医療イノベーションセンターにおいて調印式を執り行いました。
調印式では、和やかな雰囲気の中、サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループ代表の室田博夫と、サイト-ファクトの川真田伸代表取締役による署名交換が行われました。
遺伝子治療は難治性疾患や希少疾患に対する画期的な治療法として注目され、世界的に臨床応用に向けた研究開発が加速しています。しかし、その治療薬の製造に必要なウイルスベクターの製造プロセスには、高度な技術が必要であることに加えて治療薬としての品質を確保しなければならず、非常に複雑です。
この度の覚書の締結は、これらの課題を克服するためにサーモフィッシャーとサイト-ファクトがウイルスベクターの製造プロセスの確立に向けて協力体制を構築することを目的としています。具体的には、サーモフィッシャーがシングルユースバイオリアクターを用いて構築した浮遊細胞培養系による製造手法をサイト-ファクトが評価し、それを製造プロセスとして運用するための最適化を行います。また、サーモフィッシャーは、サイト-ファクトに対してウイルスベクター製造に必要な細胞株の使用ライセンスを提供し、サイト-ファクトはこれを活用して遺伝子治療用のウイルスベクターを早期に提供することを目指します。
日本国内においても遺伝子治療の研究開発が盛んに行われており、それに伴い、臨床を目的としたウイルスベクターの国内製造の需要や機会が増加しています。この度の新たなパートナーシップを通じて、サーモフィッシャーは日本の遺伝子治療製品の臨床応用を支援し、患者の方々に一日も早く画期的な治療を届けることができる社会の実現に貢献してまいります。